【読書録】お金の流れでわかる世界の歴史

読書録

面白い本でした。
私は「お金」や「資本主義」というものを深く理解したいと思って起業に踏み切ったわけですが、この本は、その知的好奇心をバリバリ満たしてくれました。

古代エジプトや古代ローマが、徴税システムの不具合から滅亡への道を進んだというのは面白い話でした。
徴税システムの不具合→特権階級の出現→中間層以下に重税のしわ寄せ→民衆の不満がたまって国力が低下→内紛もしくは外敵による侵略で滅亡
それは、全ての国家に共通する栄枯盛衰の流れということです。
まぁ納得ですね。

欧米の覇権の変遷、スペイン→イギリス→アメリカについても、お金の視点から解説されています。
面白いです。

日本に関して言うなら、まだ現状では公平な税制が保たれていますし、特権階級の出現にはまだまだ至らないと思います。
なので、日本はまだまだ滅亡しないと思います。
ただ世界的に見ると、グローバルな法人による課税逃れという問題があり、そういったものが人々の不満のはけ口になる可能性があります。
「特定の者が儲けすぎる」というのは、持続可能性の観点からは難があるのですね。

著者の大村大次郎さんは、元国税調査官で、節税の本をかなり書いています。
私も何冊か読んでます。
この人は、「お金」というものに対して、私よりも深い理解をしている気がします。
勉強になりました。

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